社員の個性を重視する方法
「個性が強い人間はよく人と当たりますから、放任というか、
社員の個性をできるだけ重視してやっている。」
これは、ジュンク堂書店社長の工藤恭孝さんの言葉です。
普通の本屋さんには、仕入れ担当部というのがあるのですが、
ジュンク堂では売り場の担当の人が直接仕入れをやっているそうです。
それは、工藤社長が重視している放任主義のひとつ。
ただ、放任主義と聞くと無責任な感じがしますが、
全体が放任ではなくて、部下に対して
「そこまで言ったら辞めるんじゃないの?」
と思うくらい厳しい教え方をしているケースもたくさんあるそうです。
放任主義と聞くとイメージが悪い感じがしますが、
言い換えると権限委譲をしているとも言えます。
権限を委譲することで、
社員に責任感が芽生え、やる気が生まれてきます。
では、なぜ、やる気が生まれるのでしょうか?
理由は2つ考えられます。
一つは、権限が委譲されるということは、その社員は
「自分は信頼されている」
「自分は期待されている」
と思い、自信が付くからです。
権限の重みがあればあるほど、その信頼度は強くなります。
そして、期待を裏切らないように、やる気を出して行動します。
ただ、気を付けなくてはいけない事は、本当の放任主義にならないこと。
自分の仕事が面倒だから権限を譲る。
自分の仕事が嫌だから権限を譲る。
という理由ではいけません。
そのような考えだと逆に反発が起こります。
権限委譲する部下に「成長するチャンスを与えたい。」
「信じているから好きにやってみなさい。私が責任を取る。」
というような気持ち、覚悟が必要。
権限委譲は、その人との信頼関係とフォローアップが大切です。
2つ目は、信念や価値観が変わるからです。
私も会社で経験したことがあるのですが、
私の権限の一部を委譲したら、
人が変わったように今まで出していない能力を発揮し、
結果を出す部下がいてました。
その部下は、
「自分にもできる」
という信念や
「自分にはその権限を持つ価値がある」
という価値観をもとに行動した結果だと解釈しています。
これは、NLPでいうニューロ・ロジカル・レベルで説明することが出来ます。
(ニューロ・ロジカル・レベルについては、
次のリンクしている記事を参照して下さい。→「ニューロ・ロジカル・レベルとは」)
簡単に説明するとニューロ・ロジカル・レベルには、
上位から自己認識、信念/価値観、能力、行動、環境というレベルがあり、
下位レベルは上位レベルの影響を受けるということです。
つまり、
信念や価値観が変わった部下は、
能力や行動も変わり、結果を出したということです。
このことから、素晴らしい自己認識に気付いたり、
力づけになる信念/価値観を手に入れることで、
人は本来持っている能力を発揮することができ、
それを行動で示すことができると言えます。
あなたは、信頼できる部下がいますか?
あなたの権限をその社員に委譲するものはありますか?
権限を委譲して部下の個性(能力)を発揮させましょう!
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豆知識:権限委譲と権限移譲の違い
委譲は、他に譲りゆだねること。
AからBに委譲した場合、最終責任はAに残したまま、
判断と決定権限をBに任せるということ。
移譲は、他に譲り渡すこと。
AからBに移譲した場合、責任も含めてBに移すということ。
今回の記事では、「委譲」という言葉を使いましたが、
部下の立場なら前者のAの方が安心でしょうね。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。