常識の壁を打ち破ると、その先に面白いビジネスチャンスが見えてくる
おはようございます!
ビジネスメンタルコーチの高杉勇成です。
今日は、ファンケル名誉会長の池森賢二さんからの学びです。
ファンケルの化粧品が生まれた経緯について迫りましょう。
背景は、戦後、アメリカに追いつけ、追い越せで、
「経済」「科学」「技術」がすごい勢いで伸びていった時代。
しかし、今では当たり前となっている、
「安全」「安心」がおろそかになっていました。
それで、公害というものが、大きな社会問題になり、
化粧品公害というのも大きな社会問題になっていました。
池森会長の奥様は、化粧品大好き人間で、
女優になりたいという夢があったそうです。
それがある日、突然、奥様がアレルギーになって、
化粧品が使えなくなったそうです。
石鹸で顔は洗えるけれど、化粧品もクリームも使えない。
それがきっかけのようです。
池森会長にはたまたま友人で、
皮膚科の先生と化粧品製造業の社長がいて、奥様のことを話したら、
先生から「実は、今うちに来る患者の70%が化粧品による接触性皮膚炎による患者なんだ」
という話しを聞きました。
化粧品の技術者からは
「化粧品は栄養が豊富で非常に傷みやすいから、防腐剤や酸化防止剤、殺菌剤、香料や色素も入っている。しかし、傷んだものを肌につけても仕方ないから…」
という話しを聞きました。
普通ならそこで諦めるのですが、
池森会長は化粧品技術者にある質問をぶつけました。
「化粧品は何日くらいで傷むのですか?」と、
すると、「1ヶ月は添加物を入れなくても大丈夫だ」と。
そのときに池森会長は、
「それなら1ヶ月以内で使い切れる量を小さな容器に入れて密封し、
開封して1週間か2週間で使い切るようにすれば添加物を入れなくてもいいんだ」
と思いました。
その後、実際にそれを作ってもらい、
奥様に使ってもらうと使えたので、
奥様の友達の困っている人にも使ってもらったら好評で
「なんとか手に入れる方法はないか」
と言われたそうです。
それでアンプル容器に入れたものを、化粧品の技術者に提案したら、
「お前は女の人を分かっていない。化粧品は女性に夢を売っているんだよ。
きれいなデザインの容器に入っていて、きれいな色がついていて、
開けたらいい香りがするという心理的な効果があるので、
こんなものが売れるはずがないだろう。」
とバカ扱いされたそうです。
「それなら自分で作って売るか」
と始めたら、本当に困っていた女性たちから、飛びつくように売れた。
という話です。
最後に池森会長は、次のような興味深い話をしています。
「業界の常識を変えるのは、異業種からの参入者だけじゃないかと思うんです。
業界に首までどっぷりつかっている人は、その常識の中に埋没してしまっているので、
新しいことが見えないんですよ。
その常識の壁を打ち破ると、その先にものすごく面白いことや、
ビジネスチャンスがいっぱい見えてきますよね。」
いかがでしたか?
池森さんは、奥様や奥様と似たような悩みを持つ女性のために立ち上がった
素晴らしい経営者ですね。
最後の話は、認知科学で、スコトーマ(盲点)と呼ばれている部分があります。
私たちの身の周りの情報は膨大です。
その膨大な情報を脳は処理することができないので、
フィルターを通して取捨選択をし、認識しています。
ということは、私たちは全ての現実世界を認識しているのではなく、
ほんの一部の情報のみ取り入れて現実を認識しているのです。
つまり、スコトーマだらけなのです。
池森会長の最後の話に戻ると、
業界人は、その業界の常識というフィルターを通る情報しか得ようとしないので、
常識外れのことが見えないのです。
だから、常識を変えるのは異業種からの参入者だと言っているんです。
「業界の常識を変えたい!」
「新しいアイデア商品・サービスを世に打ち出したい!」
「新しいマーケティングで売上を上げたい!」
と思うのなら、関係のない業種の方の意見を取り入れるといいでしょう。
ビジネスコーチから、自分とは違う視点から質問してもらい
アイデアを出していくのもおすすめします。
自分だけの枠組みだけで物事を捉えていませんか?
いろいろな人からヒントを得て、あなたのスコトーマに気付き、
新たなビジネスチャンスを生み出しましょう!