リピーター率6割で急成長した会社の秘密
おはようございます!
ビジネスメンタルコーチの高杉勇成です。
本日は、リピーター率6割。
急成長の居酒屋チェーンを展開する会社の秘密を紹介します。
社長は米山 久さんで、会社名は、APカンパニー。
宮崎県の地頭鶏(じとっこ)を扱う居酒屋がメインのお店で、
私の地元の大阪にも「塚田農場」という店舗が3店舗あります。
いつも人気で繁盛していますよ。
宮崎のじとっこは、幻の地鶏とも言われてきた宮崎県特産の地鶏で
生産量が少なく、なかなか手に入らなかったそうです。
ちょうど飲食店を立ち上げたばかりの頃、そこに目を付けたのが、米山社長でした。
米山社長が全国のいろいろな地鶏を探していたとき、
ちょうど宮崎じとっこができたばかりで
「これはチャンス!」と思ったそうです。
当時の米山社長は、生産者に直接「売って欲しい」と交渉をしましたが、
不信がられて、生産者は売ってくれなかったそうです。
そこで
「どうしたら信用してもらえるのだろうか?」
と考えた米山社長は、なんと!
近くに持ち手の資金300万円を使って、養鶏場を建て始めたのです。
そして、「皆さんと一緒にじとっこを育てていきます!」と伝え、
実践し、生産者の信頼を勝ち取ったそうです。
すごい思い切った決断と行動ですね。
さらに米山社長は、じとっこの流通のしくみ改善を実行しました。
【じとっこ流通のしくみ改善】
これまでの流通経路は、生産者→農協→問屋→問屋→店舗という経路でした。
生産者からの売値がキロあたり1700円で、
最終的な店舗の買い取りが3600円となっていました。
それを米山社長は、生産者→APカンパニーという経路にし、
生産者からキロあたり1800円で買い、しかも全量買い取り制度にしたそうです。
この仕組みにより、農家は従来より高く買い取ってもらうことができ、
しかも売れ残りを心配する必要がなくなりました。
この取り組みが成功して生産者も店舗経営もうまくいき、
売上も収入も増え、急成長し、
お互いWINWINの関係を築くことができるようになりました。
APカンパニーが急成長した理由は、他にもあります。
それは、リピーター率6割といった人気です。
その秘密の一つは、店内のサービスにありました。
【リピーターを生み出す店内サービスの秘密①】
お客様の箸が止まって、料理が残っている場合、
店員さんがそれを下げて、再調理をし、違う料理へと変えてしまうサービスです。
例えば、地鶏の炭火焼きが残っていれば、タマネギの千切りとポン酢を加える。
地鶏の炭火焼きを全て食べていたとしても、
鉄板に残った脂にライスとニンニクを加え炒めてガーリックライスを作る。
そういったサービスがそれぞれ、店員の独自の判断でされており、
それが評判になっています。
もちろん、このサービスは、無料です。
しかし、店舗側としては、再調理に経費がかかっています。
どこからその経費を捻出しているかというと価格にあります。
通常よりも少し上乗せし、その分を価格ではなく、
サービスという形で還元しているのです。
どこのお店でもやりがちな値下げに対抗しても、
値下げに慣れ親しんだお客様には響きません。
それを、目に見える形、味や臭いでサービスを感じてもらう。
しかも、そこにはお客様と店員のコミュニケーションも生まれるので
素晴らしい発想だと思います。
APカンパニーの店舗の平均客単価は4000円で、
その1割の400円分を還元する形にしています。
その400円はアルバイトにも権限を与えて、
お客様を喜ばせるためなら、その中でいくらでも自由に何でもやっていいそうです。
アルバイトも自由なので活き活きとして働いています。
【リピーターを生み出す店内サービスの秘密②】
リピーターが増える仕掛けのもう一つは、店に通うともらえるという「名刺」です。
最初は主任から始まり、通う回数が多くなると
主任→課長→部長→専務→社長→会長と昇進していくというシステムがあります。
そして、昇進の度にマル秘のサービスがされるのです。
お客様は「ここ(お店)では、部長ですが会社では平です!」などと
笑いながら語っています。
店にたくさん通うとポイントがたまり、ある一定の量がたまるとサービスされる。
というのは、よくあるサービスですが、そこに昇進というアイデアを加えるだけで
全く違ったサービスになります。
このようにしてAPカンパニーはリピーターを増やし、急成長しました。
いかがでしょうか?
生産者が地鶏を売ってくれなかったとき、米山社長がした
「どうしたら生産者に信用してもらえるのだろうか?」
というのは素晴らしい前向きな質問ですね。
こういった前向きな質問が経営をうまく軌道に乗せたのでしょう。
今回のAPカンパニーの流通改善やお店のサービスの改善などの
アイデアは何かのヒントになったでしょうか?
どんどんアイデアが出たのなら幸いです。
あなたがもし、そういったアイデアがでずに悩んでいるなら、
いつもと同じ視点、いつもと同じ思考をしているかも知れません。
そういったときは、
全く違う視点、思考をコーチングで引き出してもらうのも一つの方法です。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。